日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ニトロゲナーゼ類似酵素プロトクロロフィリド還元酵素の大腸菌おける機能発現
*山本 治樹野亦 次郎大橋 理恵藤田 祐一
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p. 461

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抄録
暗所作動型プロトクロロフィリド(Pchlide)還元酵素(DPOR)は、(バクテリオ)クロロフィル生合成系においてポルフィリンD環二重結合を還元することでPchlideをクロロフィリドに変換する反応を触媒する。DPORは、ニトロゲナーゼのFe-蛋白質とMoFe-蛋白質に各々類似した2つのコンポーネントL-蛋白質とNB-蛋白質から構成される。ニトロゲナーゼの機能発現には、主に金属中心の形成やそれらのアポ蛋白質への挿入反応などに関与する窒素固定生物に特有の酵素群が必要とされ、大腸菌では活性型として発現させることができない。DPORについては、各コンポーネントの安定な活性評価系が確立されていなかったため、大腸菌における機能発現の評価が困難であった。私たちはこれまでの研究で光合成細菌Rhodobacter capsulatusの発現系を利用したアッセイ系を確立してきた。そこで本研究では、このR. capsulatusの活性評価系を活用してDPORコンポーネントの大腸菌での機能発現を評価した。その結果、両コンポーネントともに大腸菌において活性型として発現することが確認された。この結果は、DPORコンポーネントの機能発現には大腸菌細胞の有する酵素群で充分であり、DPORの金属中心はニトロゲナーゼとは異なり大腸菌内で生合成可能なタイプであることを示唆している。
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© 2007 日本植物生理学会
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