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我々のグループでは、理研BRCに収集されている354 種類のArabidopsis thalianaエコタイプの耐塩性評価を行い、Col-0に対して塩に耐性あるいは高感受性を示すエコタイプを見出した。これらのうち、耐塩性エコタイプとして単離されたBu-5に関しては、低濃度の塩で馴化させた場合、Col-0よりも著しく高い耐塩性を示すことが明らかとなった。
Bu-5の塩馴化によって増強された耐性が、塩ストレスの持つイオンストレスあるいは浸透圧ストレスのどちらに対するものかを調べたところ、 LiCl, CsCl を用いたイオンストレスには耐性を示さず、sorbitol を用いた浸透圧ストレスに耐性を示すことが明らかとなった。現在、Bu-5の塩馴化過程における転写レベルでの変化を調べるため、マイクロアレイ解析(Affymetrix Arabidopsis Genome Array)を進めている。さらに、Bu-5の耐塩性遺伝子を特定するためにマッピングを行った結果、原因遺伝子は第 5 染色体下腕に存在することが明らかとなった。これまでに原因遺伝子の存在範囲を数百 kbp 内に絞ることに成功した。