日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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塩生植物Thellungiella halophilaの高温ストレス耐性に関する研究
*石川 智子太治 輝昭坂田 洋一田中 重雄
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p. 491

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抄録
塩生植物Thellungiella halophilaは、モデル植物であるArabidopsis thalianaと核酸レベルにおいて90%の相同性を持つ近縁種で、塩ストレスに対し極めて高い耐性を示す。T, halophilaは塩ストレスの他に、凍結ストレス、酸化ストレスなどにも耐性を示すことが明らかになっている。本研究では、その他の様々な非生物的ストレス耐性を確認した結果、新たに高温ストレスに対しても顕著な耐性を示すことを明らかにした。T. halophilaは、孔辺細胞の数がA. thalianaに比べて2倍あることから、効率良く蒸散・放熱することができるため、高温ストレス耐性を示すということが一因として考えられた。そこで、細胞レベルにおいても高温ストレス耐性を示すのか調べるために、T. halophilaおよびA. thalianaをカルス化し、細胞レベルでの高温ストレス耐性を評価した。その結果、T, halophilaは、細胞レベルにおいても高温ストレス耐性を示すことが明らかとなった。T. halophilaはストレス非存在下において、既知のストレス誘導性遺伝子群を高発現していることが知られている。そこで現在、転写レベルにおけるT. halophilaの高温ストレス応答を調べるため、高温ストレス下におけるA. thalianaとの比較発現解析を行っている。
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© 2007 日本植物生理学会
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