日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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高等植物由来の緊縮制御タンパク質の機能解析
*小柴 隆二山田 晃世海部 真樹谷本 靜史小関 良宏
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p. 492

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抄録
RelA/SpoT タンパク質とは原核生物に特有なストレス適応機構である『緊縮制御』の原因分子、グアノシン-5’-二リン酸-3’-二リン酸 (ppGpp) を合成する酵素である。原核生物において ppGpp はストレス下で蓄積され、RNA ポリメラーゼと結合して各種遺伝子の発現を正または負に制御する分子機構が解明されつつある。近年、原核生物に特有と考えられてきた RelA/SpoT の相同タンパク質が、高等植物であるシロイヌナズナの葉緑体からも発見され、高等植物にも『緊縮制御』のようなストレス適応機構が存在する可能性が考えられている。当研究室では塩生植物シチメンソウの耐塩性機構の解明を目指し、大腸菌を用いた機能スクリーニング法により、その耐塩性に関与する遺伝子の単離を試みた。その結果、RelA/SpoT 相同タンパク質 (SjRSH) をコードする cDNA を導入した大腸菌に耐塩性の向上が認められている。本研究では高等植物における RelA/SpoT 相同タンパク質の生理学的な役割の解析を目指し、SjRSH を導入した形質転換シロイヌナズナ、またシロイヌナズナ自身のRSH (AtRSH) 発現レベルを低下させた形質転換シロイヌナズナを作出し、それらのキャラクタリゼーションを試みた。
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© 2007 日本植物生理学会
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