日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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オーキシン動的分布パターン形成に関わるNO VEIN遺伝子の解析
*槻木 竜二鷲見 芳紀岡田 清孝
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p. 522

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抄録
高等植物の器官組織形成において、オーキシンの分布・濃度勾配のパターンが重要な役割を果たしていることが明らかにされつつある。葉脈パターン形成の場合、葉原基において表皮下の特定の未分化細胞群でオーキシンの局所的蓄積が起こり、それら特定の細胞が後に維管束細胞に分化すると考えられている。一方、オーキシンの正常な分布にはオーキシンの極性輸送が必要なこと、その極性輸送にはPINタンパク質の発現調節と極性的膜局在が重要であることも示されている。しかしながら、これらを制御する分子機構についてはあまり明らかにされていない。私たちは葉脈形成に必要な遺伝子としてNO VEIN (NOV)遺伝子を同定し、同遺伝子が葉と胚それぞれにおいて発生に伴ってダイナミックに変化するオーキシンの分布パターン形成に必要であることを明らかにしている。NOV遺伝子は、高等植物にしか見出せない分子量約300,000の機能未知タンパク質をコードする。本発表では、NOVの発現パターンと細胞内局在性、PINタンパク質の極性的局在に必要なGNOM遺伝子とNOVの遺伝学的相互作用、nov変異体におけるPINタンパク質の発現パターンと局在性などを報告し、NOVのオーキシン分布パターン形成における役割について考察したい。
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© 2007 日本植物生理学会
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