日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナPRESSED FLOWER (PRS) 遺伝子の側生器官側部特異的な発現を制御する因子の探索
*中田 未友希舟木 俊治松本 任孝槻木 竜二岡田 清孝
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p. 525

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抄録
葉や花器官、花などの側生器官では茎頂分裂組織を基準とした向軸側と背軸側、横側(側部)のそれぞれに特徴的な組織が形成される。側生器官の向背性の分化に関してはその分子機構の解明が進んでいる一方で、側部特異的な分化の分子機構はほとんど明らかにされておらず、側部の分化に関わる因子についての知見も非常に少ない。
私たちは側部の分化に関わる遺伝子としてPRS 遺伝子を同定し、同遺伝子が横側のがく片と托葉の形成に必須であること、側生器官原基の側部で特異的に発現していることを明らかにしている (Matsumoto and Okada, 2001) 。さらに、PRS の5'側上流2.3 kb の領域が側生器官原基側部での発現に十分であることも明らかにしている。
側生器官側部の分化機構を明らかにする第一歩として、PRS の発現を制御するシス因子の探索を進めており、これまでに、葉と花器官、花芽における側部特異的な発現に必要な140 bp の領域Aを5' 側上流2.3 kb 内に同定した。また、領域A は側生器官原基形成初期に見られる強い発現に十分であった。これらの結果は領域Aに原基形成初期からの側部特異的な発現に関わるシス因子が含まれることを強く示唆している。現在酵母1ハイブリッド法を用いて領域Aに結合するトランス因子をスクリーニングする準備を進めており、その結果もあわせて報告する予定である。
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© 2007 日本植物生理学会
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