日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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Armadilloリピートタンパク質ITOSUGIは方向依存的細胞伸長に関与する
*八木 慎宜檜垣 マリコ岡田 清孝
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p. 526

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抄録
植物細胞は細胞壁に覆われているため、動物細胞のように移動することはできない。そのため、細胞の形は植物の形をきめる重要な要素である。細胞の形は細胞が極性をもち方向依存的に伸長することによって決まるが、その遺伝的制御システムについては十分に理解されていない。我々は細胞伸長に異常が見られる突然変異体itosugi(itg)について解析を行っている。
itg突然変異体では、胚軸と根の伸長抑制と肥大化が観察され、右巻きにねじれる表現型を示す。細胞レベルでは、胚軸と根の伸長方向における細胞伸長抑制と、胚軸と根の伸長方向と垂直な方向への細胞の肥大化が観察された。これらの表現型は、方向依存的な細胞伸長に重要な表層微小管の配向パターン制御に関わるSPIRAL1遺伝子およびSPIRAL2遺伝子の突然変異体と類似している。これらの突然変異体とitg突然変異体との二重突然変異体を作製し遺伝学的解析を行っている。ITG遺伝子はC2ドメインとArmadillo(Arm)リピートをもつタンパク質をコードしており、そのドメインの性質から、ITGタンパク質は他のタンパク質や脂質と相互作用し機能することが考えられた。GFP融合タンパク質を用いた細胞内局在解析から、ITGタンパク質は細胞膜付近と細胞質に局在することが明らかになった。ITGタンパク質の機能を明らかにするため、過剰発現体の作製を行っている。
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© 2007 日本植物生理学会
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