日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

植物核tRNAスプライシング酵素の細胞内局在
*赤間 一仁ダーク・ ベッカーヒルトブルグ・ バイアー
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 549

詳細
抄録
真核生物と古細菌の中には核tRNA遺伝子がイントロンにより分断されているものがある。これらのスプライシングの様式は前駆体mRNA、グループI・グループIIイントロンのものとは異なり、酵素的な反応により行われる。すなわち、tRNAスプライシング反応は、tRNAエンドヌクレアーゼ (Sen) によるイントロンの切断、tRNAリガーゼ (tRL)によるエキソンの結合、2'-フォスフォトランスフェラーゼ (Pt) による2’リン酸基の除去からなる。植物でこれら3種の酵素群の細胞内局在を調べるために、Sen、 tRL、PtをコードするcDNAとGFP遺伝子とのキメラ遺伝子を構築し、パーティクルガンを用いてこれら遺伝子をタマネギ表皮細胞とソラマメの孔辺細胞に導入して、融合タンパク質の細胞内局在を調べた。その結果、Senは主に核とミトコンドリアに、tRLとPtは主に葉緑体(プラスチド)に局在することが判明した。このことから、植物における前駆体tRNAのスプライシングは核以外でも行われる可能性があること、これら酵素はオルガネラにおける未知機能の発現に関与する可能性が考えられた。
著者関連情報
© 2007 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top