日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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熱ストレスによる免疫学的アセチルコリンエステラーゼの局在変化
*山本 紘輔大久保 実桃木 芳枝
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p. 576

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抄録
アセチルコリン(ACh)を介した刺激応答系(ACh系)は動物界のみならず植物界においても存在が示唆されており,AChおよびその分解酵素であるアセチルコリンエステラーゼ(AChE)活性は,裸子および被子植物から藻類に至る約200種において検出されている.現在まで我々は,植物ACh系の機能を解明するために,AChの量的レベルを制御するAChEの機能について研究を行ってきた.その結果,植物AChEが重力および熱ストレスなどの環境ストレスに応答することを確認した.さらに近年,植物ACh系の制御酵素である植物AChEをトウモロコシ幼苗から精製し,その全cDNA配列を同定した.本報告では,トウモロコシAChE遺伝子を大腸菌にて高発現させ大量精製して作製したAChE抗体を用いて組織および細胞内局在性を検討した.トウモロコシ幼苗におけるAChEの局在部位をイムノブロットにて解析したところ,主に鞘葉節に局在することが確認された.また免疫蛍光染色の結果から,AChEは中心柱を包括する内皮細胞および茎頂分裂組織の基底部に局在することが明らかとなった.さらに,熱ストレス(45℃, 15 min)を与えたトウモロコシ幼苗におけるAChEの分布は,コントロールに比べ局在性が拡大した.
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© 2007 日本植物生理学会
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