日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ヘテロな遺伝子発現によるChlorobium tepidumchlG及びbchGの機能解析
*橋元 洋介溝口 正民秋 均小林 正美井上 和仁
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p. 609

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抄録
クロロフィル(Chl)aとバクテリオクロロフィル(BChl)aの合成経路はクロロフィリド(Chide)a までは共通である。Chl a は ChlG により Chide a に長鎖アルコールが付加して合成される。一方、BChl aは、Chlide a から更に BchF、BchXYZ、BchC による3段階の酵素反応を経て合成されたバクテリオクロロフィリド(BChlide)a に、BchG により長鎖アルコールが付加して合成される。緑色硫黄細菌 Chlorobium tepidum は、3種のクロロフィルChl a 、BChl a 、BChl c を持つ絶対嫌気性の光合成細菌で、その全ゲノム配列には、chlGbchGと高い相同性を持つ3つのORF(CT1610CT1270CT1992)が存在する。このうちCT1610CT1270を、それぞれ紅色細菌Rhodobacter capsulatus の光合成色素合成遺伝子の破壊株に導入し、細胞に蓄積した色素をHPLC分析したところ、CT1610導入株ではBChl aCT1270導入株では Chl a と同じリテンションタイムに色素成分が検出された。このうちCT1270の導入株のChl a 様の色素は、LC-massにより、フィチル基が付加したChl a と一致する分子量を持つことが確認された。
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© 2007 日本植物生理学会
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