日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シアノバクテリアSynechococcus elongatusPCC 7942におけるDnaK2、DnaJ2によるpsbAII転写産物の分解制御機構の解析
*渡辺 智佐藤 真純荷村(松根) かおり千葉櫻 拓吉川 博文
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p. 639

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抄録
シアノバクテリアSynechococus elongatus PCC 7942株に同定されている3種のdnaKパラログと4種のdnaJパラログのうち、dnaK2、dnaJ2は共に必須遺伝子であり、熱、強光などのストレス時に誘導がかかることから、シアノバクテリアのDnaKシャペロンサイクルの中でストレス応答の中心的な役割を担っていることが示唆されている。
これまでの酵母2ハイブリッド法を用いた解析から、我々はDnaJ2がRNase Eと特異的に相互作用することを見出した。RNase EはpsbAII遺伝子のmRNAを分解することがMicrocystisにおいて報告されている(Asayama M., 2006, Biosci. Biotechnol. Biochem.)。RNase Eに対するDnaK2、DnaJ2の働きを調べるため、それぞれのタンパク質を精製し、RNase EのpsbAII mRNA分解活性を比較した。その結果、DnaK2、DnaJ2を加えることによってRNase EのpsbA II mRNA分解活性は低下した。現在、DnaK2、DnaJ2のRNase Eに対する抑制効果が他の転写産物にも影響するかどうか、他のDnaK、DnaJパラログもRNase Eに対して同様の効果をもつかどうかについて、さらに詳しく解析を進めている。
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© 2007 日本植物生理学会
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