抄録
シロイヌナズナのLKPファミリーの1つLKP2(LOV kelch repeat 2)は、LOV、F-boxおよびKelch repeatと呼ばれる3つの機能領域をコードしているタンパク質である。このLKP2の過剰発現体を用いた解析の結果から、LKP2はユビキチン-プロテアソーム系を介したタンパク質分解機構において、概日リズム、光形態形成および花成時期の制御に関わり得ると考えられている。我々はLKP2の機能解析を進める一方で、LKP2の相互作用因子にも注目している。酵母ツーハイブリッドシステムを用いた解析の結果、LKP2は時計関連因子TOC1とPRR5、SCF複合体構成因子ASKなど複数の因子と相互作用することを明らかにしている。本研究では、LKP2による概日リズム、光形態形成および花成時期制御のメカニズムを解明するため、LKP2相互作用因子の1つであるLIF1について、遺伝子発現解析、局在解析、形質転換植物を用いた表現型解析等を行ったので、それらの結果について報告し、LIF1の機能について考察したい。
なお、本研究は、独立行政法人農業生物系特定産業技術研究機構生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター)の補助のもとに行われた。