日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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FUS3を介した種子貯蔵タンパク質遺伝子の発現制御メカニズムの解析
*谷口 桂太豊嶋 涼子堤田 久美子鈴木 将史堺 和彦加賀谷 道子山本 章子加賀谷 安章服部 束穂
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p. 695

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抄録
シロイヌナズナFUS3は種子成熟過程を制御する主要な転写因子のひとつであり、種子貯蔵タンパク質遺伝子群(SSPs)の発現を調節している。これまでに、FUS3はABAシグナルと共役し何らかの中間転写因子の発現を介してSSPsの発現制御を行う可能性を報告している。今回、SSPsのうちCRCに着目し、FUS3の下流制御メカニズムを解析した結果を報告する。FUS3人為的発現系を用いてCRCプロモーターの転写因子結合動態をin vivo footpriniting法により解析した。その結果、2箇所のABRE配列(R1, R2)と1箇所のABRE類似配列にABAおよびFUS3誘導特異的な転写因子の結合が観察された。一方、ノーザン解析からは、ABRE結合タンパク質のうちbZIP67がFUS3とABA依存的な発現制御を強くうけることが見出された。bZIP67の過剰発現は、FUS3によるCRCの発現誘導を増強し、in vitroでbZIP67は、R1, R2に特異的に結合した。これらの結果は、bZIP67がCRC転写制御の中間転写因子であることを強く示唆する。また、R3に結合する因子の同定も含め、FUS3を介したCRCの発現制御に関わる因子の網羅的同定を目的にrfc (reduced FUS-dependent CRC expression)変異体の分離を行っており、あわせて報告したい。
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© 2007 日本植物生理学会
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