抄録
外来植物の導入の際に、環境に影響を及ぼす可能性のあるアレロパシー活性を評価する手法として、葉から溶脱する物質による作用を検定するサンドイッチ法(SW法)、根から滲出する物質の作用を検定するプラントボックス法(PB法)を用いて、外来植物の活性を検定した。
SW法による検索の結果では、10mgを供試したとき、結果は正規分布した。セイバンモロコシ、セトガヤ、カタバミ、およびバラ科植物が強い活性を示し、トウダイグサ科、マメ科植物がこれに次いだ。イネ科では近年、果樹園下草管理に導入されているナギナタガヤも活性が高かった。
PB法による検定の結果、マメ科のVicia属、クラウンベッチの類、コメツブツメクサ、イネ科のマドリードチャヒキ、Avena strigosa, Brachiaria 属、カラスムギの類、アブラネ科のナタネハタザオなどの活性が強かった。また、新たなワイルドフラワーでは、Clarkia unguiculata, Gypsophila paniculata, Oenothera hookeri, Trifolium incarnatum, Ipomopsis rubra, Silene armeria, Anisantha madritensisが強い阻害活性を示した。マメ科レンゲは活性が弱いが、類縁の沙打王やオウギの類は強い活性を示した。