抄録
オーキシンは植物の成長や発達に必要なホルモンで特に根においては側根形成や重力屈性などに重要な役割を持つ。最近、Xenopus oocytesに発現させたAUX1タンパク質はオーキシンinflux carrierとして働くことが示された(Yang et al,2006)が、植物組織中でのAUX1タンパク質の働きを知るためには、植物組織中にある細胞へのオーキシンの取込みを調べる必要がある。この目的のために、我々はシロイヌナズナのaux1-7,aux1-22とwtの根を用いて3H-IAAのAUX1タンパク質を通じた取込み活性を評価する方法を見出した。見た目の取込み量から、根組織に取込まれた3H-IAAのうち細胞壁に吸着したもの、拡散によって細胞に取込まれたものを差引き、AUX1タンパク質により細胞に取込まれたものを算出した。算出方法の妥当性についても議論を行う予定である。