日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおけるSNAREタンパク質AtVamp727の機能解析
*岡谷 祐哉海老根 一生台信 友子郷 達明植村 知博中野 明彦上田 貴志
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p. 754

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抄録
我々は、小胞輸送、特にエンドサイトーシスが植物の高次現象において果たす役割を明らかにすることを目的とし、エンドソームと液胞で機能するSNAREとRabに注目し研究を行っている。AtVamp727は、シロイヌナズナに存在するR-SNAREの中で唯一エンドソームに特異的に局在しており、GNOM依存的なエンドサイトーシス経路に関与する可能性が示唆されている(Ueda et al., 2004;Uemura et al., 2004)。そこで、さらにその機能の詳細を明らかにするため、小胞の融合において協調的に機能していると考えられるRab5グループや、PVCと液胞に局在するAtVam3/Syp22(Qa-SNARE)との相互作用について解析を試みた。AtVAMP727のT-DNA挿入変異体の解析を行ったところ、目立った表現型は見られず、RAB5RHA1ARA7ARA6)のいずれかとの二重変異体についても同様であった。一方、atvamp727 atvam3二重変異体は胚致死の表現型を示した。そこで、これら2つのSNAREの細胞内局在を比較した結果、これらが部分的に共局在することが明らかとなった。さらに、この二重変異体の未成熟胚の細胞においては、貯蔵型液胞の断片化が観察された。これらのことから、AtVamp727とAtVam3が協調的に機能する可能性が示された。
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© 2007 日本植物生理学会
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