日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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重力によるアズキ上胚軸の表層微小管配向の変化とγ-チューブリン遺伝子発現の増加
*曽我 康一小竹 敬久若林 和幸神阪 盛一郎保尊 隆享
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p. 766

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抄録
遠心過重力による茎の伸長成長阻害と肥大成長促進(成長方向の変化)のメカニズムを明らかにするため、過重力環境下で生育させたアズキ上胚軸の表層微小管の配向およびγ-チューブリン遺伝子の発現を解析した。過重力処理により細胞長軸に直交する微小管(横向きの微小管)を持つ細胞の割合は減少し、一方、細胞長軸と平行する微小管(縦向きの微小管)を持つ細胞は増加した。過重力環境で生育させた芽生えを1 g環境に移すと、微小管の配向は縦向きから横向きに変化した。このような微小管の配向変化は成長方向の変化に先行し、30分以内に観察された。次に、微小管の形成に関与すると考えられているγ-チューブリンの遺伝子発現を解析したところ、過重力処理後15分以内に発現量の増加が始まり、30分後には最大に達した。その後、発現量は低下し、120分後には1 g対照と同レベルになった。また、過重力環境から1 g環境に移した際も発現量は一過的に増加した。メカノレセプターの阻害剤であるランタンおよびガドリニウムで処理をした上胚軸では、過重力による成長方向、微小管配向ならびにγ-チューブリン遺伝子の発現の変化は見られなかった。以上の結果から、アズキ上胚軸は、重力刺激を原形質膜上のメカノレセプターで受容し、その情報によりγ-チューブリンのレベルを一過的に変化させることにより、表層微小管の配向を調節して、成長方向を変化させていると思われる。
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© 2007 日本植物生理学会
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