日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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新規転写因子VOZ変異体のトランスクリプトーム解析
*秋山 昌子向川 佳子硯 亮太光田 展隆河内 孝之佐藤 雅彦
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p. 783

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抄録
VOZ(Vascular plant One Zinc-finger protein)は、シロイヌナズナ液胞局在型プロトン輸送性ピロフォスファターゼであるAVP1のプロモータ領域に結合するone-finger型のzinc-finger motifを持つタンパク質としてone-hybrid法により単離され、それぞれAtVOZ1 (At1g28520)とAtVOZ2(At2g42400)と名づけられた。また、VOZ遺伝子はシロイヌナズナなどの双子葉類だけでなく、単子葉類やシダ、コケ植物であるセン類まで高度に保存されていることから、陸上高等植物の進化を考える上で非常に興味深い遺伝子である。AtVOZは、in vitroの結合実験でDNAの特定の塩基配列を認識して結合することから、新規の転写因子であると考えている。更にAtVOZ1, AtVOZ2の二重変異株は、長日条件での花成遅延が観察される。この事実から、AtVOZ遺伝子のシロイヌナズナにおける花成への何らかの関与が考えられる。そこでまず私たちは、AtVOZ遺伝子産物がどのような遺伝子の発現調節に関わっているか調べるためにマイクロアレイを用いたトランスクリプトーム解析を行った。その結果、AtVOZ1, AtVOZ2二重変異株では花成関連遺伝子FT並びにTSFの発現が顕著に低下していることが明らかとなった。その他の遺伝子発現の変化についても発表する。
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© 2007 日本植物生理学会
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