日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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種子油脂貯蔵を制御する AP2 型転写アクティベーター ASML1/WRI1 の DNA 結合活性
*徳田 剛史前尾 健一郎中村 研三
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p. 782

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抄録
シロイヌナズナ ASML1/WRI1 は油脂貯蔵に欠損を示す wrinkled1 変異株、糖誘導性プロモーターの活性化を示す asml1 変異株から同定された AP2 型転写因子である。変異株を用いたマイクロアレイ解析の結果などから、ASML1/WRI1 はショ糖代謝や脂肪酸合成系の遺伝子の発現を活性化してショ糖の油脂への転換の促進に働くと推定されている。実際に、プロトプラストを用いた一過性発現系において、ASML1/WRI1 は種々のショ糖代謝や脂肪酸合成系の遺伝子プロモーターからの転写を trans-activation することが示された。今回、ASML1/WRI1 の配列特異的 DNA 結合活性を明らかにする目的で、一過性発現系で特に強く活性化を受ける SUS2Pl-PKKAS1BCCP2 の種々の欠失プロモーターを用いた ASML1/WRI1 による trans-activation assay を行ったところ、いずれも翻訳開始点上流 300 bp の領域が trans-activation に必要であることが明らかになった。組換え GST 融合 ASML1/WRI1 はこれら活性化に必要な領域の DNA 断片に結合し、ASML1/WRI1 はこれら遺伝子のプロモーターに直接結合して転写を活性化すると考えられる。現在、ASML1/WRI1 の結合配列を決定するための解析を進めている。
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© 2007 日本植物生理学会
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