日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ラン藻Synechococcus elongatus PCC 6301の新規RNA遺伝子の探索
*杉田 千恵子梅原 一徳杉田 護
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p. 790

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抄録
Non-coding RNA (以下ncRNA)はさまざまな遺伝子発現調節を行っている。大腸菌では網羅的解析により81のncRNAが同定されているが、光合成を行う原核生物ではあまり解析が進んでいない。当研究室では、淡水性ラン藻Synechococcus elongatus PCC 6301(以下PCC 6301)ゲノムの全塩基配列を決定し、タンパク質遺伝子2525個、RNA遺伝子55個を予測した。さらに、遺伝子間領域に未知のncRNA遺伝子が存在するかどうかを明らかにするため、ゲノム間の相同性検索とPCC 6301のアレイ解析の2つの方法で検討した。PCC 6301とSynechocystis sp. PCC 6803、Nostoc sp. PCC 7120、Thermosynechococcus elongatus BP-1ゲノムの遺伝子間領域の相同性検索を行った結果、3カ所の相同性の高い領域を見い出した。1つはguaBtrxA遺伝子間領域で、この中に60 ntの新規RNA遺伝子を同定した。さらに2カ所の領域について解析を進めている。また、対数増殖期のPCC 6301細胞より抽出したRNAを用いて遺伝子間領域を含むオリゴアレイ解析を5回行った結果、隣接遺伝子よりも発現量の多い遺伝子間領域が31カ所検出された。計33カ所の領域をノーザン解析した結果、7カ所に隣接遺伝子より著しくサイズが小さい転写物が検出された。これらの転写物の5’末端を決定し、二次構造を予測したので報告する。
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© 2007 日本植物生理学会
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