日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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タバコ葉緑体におけるRNA editingの効率は光に応答して変化する
*天野 道彦北川 智草小林 優介阪本 康司小保方 潤一山田 恭司若杉 達也
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p. 794

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抄録
RNA editingとは、塩基の挿入、欠失もしくは置換によって機能的な成熟RNAが生じる現象である。陸上植物の葉緑体では、これまでに、転写産物の特定部位のCがUへ変換するeditingが見出されており、葉緑体遺伝子の発現制御に重要な役割を担っていることが明らかになっている。葉緑体でのeditingは、組織ごとに異なる効率で起き、発生ステージの違いによる制御の可能性も示唆されている。一方、環境条件によりeditingの起きる効率が変動する可能性に関しては、限られた報告例しかなく、いまだに網羅的な検討は行われていない。本研究では、RNA editingを受ける全部位が特定できるタバコ葉緑体において、光条件の違いが各部位でのediting効率に影響を与えるか否かを調べた。明所で育てた緑葉と暗所での黄化芽生えからRNAを抽出し、それぞれ全38部位におけるediting効率を測定し比較した。その結果、明条件下と暗条件下とで、34か所の部位での効率には差がほとんど検出できなかったものの、残りの4部位では顕著な効率の変化が認められた。rpoA遺伝子とndhD遺伝子に存在する計3か所の部位では、明条件下で効率が30-80%上昇していたが、逆に、ndhA遺伝子中の部位では、明条件下で30%の効率低下が観察された。本研究の結果は、葉緑体遺伝子のうち少なくとも一部は、その発現レベルの光制御にRNA editingが強く関与していることを示している。
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© 2007 日本植物生理学会
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