日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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リン酸欠乏時の膜脂質転換はオーキシンシグナル変異体slrarf7arf19で抑制される
*成瀬 孝史小林 康一馬場 信輔深城 英弘太田 啓之
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p. 815

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抄録
植物はリン酸欠乏時、生体膜中のリン脂質を糖脂質に転換し、貧栄養条件に適応する。当研究室の最近の結果から、この適応機構に植物ホルモンオーキシンが関与することが明らかとなった。オーキシンシグナルは、オーキシン応答性遺伝子の転写に関わる転写因子AUXIN RESPONSE FACTOR(ARF)に抑制的に働くIAAタンパク質がユビキチンプロテアソーム系により分解されることで活性化される。本研究では、IAAタンパク質のgain-of-functionの変異体であるslr/iaa14と、SLRとの相互作用が報告されているARF7、ARF19の二重変異体(arf7arf19)を用いて、リン酸欠乏時における糖脂質の蓄積に対する影響を調べ、これらの変異体においてdigalactosyldiacylglycerol(DGDG)蓄積が抑制されることがわかった。すなわち、野生型のシロイヌナズナのshootでは、充分なリン酸存在下では全脂質に占めるDGDGの割合は20%程度であるが、リン酸欠乏時には35%程度にまで増加する。このDGDGの含量がslrにおいては25%程度、arf7arf19においては30%程度に抑えられるという結果を得た。また、これらの変異体の根においても、同様にDGDG蓄積が抑制された。この結果は、これらのタンパク質がリン酸欠乏時の糖脂質の蓄積に関与することを示している。
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© 2007 日本植物生理学会
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