日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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酵母Kluyveromyces lactis のグルコシルセラミド合成酵素遺伝子欠損株を用いた植物スフィンゴ糖脂質の解析
*中井 亜弥子曽碩 宏美今井 博之
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p. 818

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抄録
細胞膜や液胞膜には、グルコシルセラミド(GlcCer)と呼ばれるスフィンゴ糖脂質が膜脂質の主成分として存在する。GlcCerはグルコシルセラミド合成酵素(GCS)によって合成されるが、植物においてこの遺伝子はワタから単離されたという報告しかなく、シロイヌナズナにおいてGlcCer合成に関する酵素遺伝子は確認されていない。そこで我々はまず、出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeがGlcCerを有しないことを利用し、ワタのGCS遺伝子のオーソログと思われるシロイヌナズナのcDNAをS. cerevisiaeに導入し、この形質転換株がGlcCerを合成するか調べたがGlcCerを検出できなかった。この結果は、S. cerevisiaeがGlcCer 合成の代謝系を有していないことを反映することが考えられるので、次に、GlcCerを有する酵母Kluyveromyces lactis (ade2his3leu1)を用いて、K. lactis のGCS遺伝子非翻訳領域とS. cerevisiaeHis3遺伝子による遺伝子倒置置換法によって、GlcCerが合成できないGCS遺伝子欠損株(GCS:: His3)を得た。本発表では、この欠損株を用いて、シロイヌナズナのGCSと思われる遺伝子のスクリーニングの結果を報告する予定である。
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© 2007 日本植物生理学会
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