日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおける紫外線誘発遺伝子突然変異の特異性
*吉原 亮平中根 千陽子佐藤 良平安田 愛滝本 晃一
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p. 871

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抄録
紫外線は生物にとって有害である。DNAは260nm近辺の光に吸収極大をもつ。DNAが紫外線に曝されると隣接ピリミジン塩基間で共有結合が形成され、ピリミジン二量体と呼ばれる傷害となる。この傷害はDNAに局所的にゆがみを与え、複製時のエラー等を引き起こして突然変異の原因となる。太陽光を生育の必須要素とする植物は同時に紫外線を浴び続けている。すでにEMS誘発突然変異で報告した変異検出用rpsL遺伝子導入シロイヌナズナ(JRR 47, 2006)を用いて、高等植物における紫外線誘発変異を調べた。変異検出の標的遺伝子は大腸菌rpsL遺伝子で、プラスミドレスキューにより回収後大腸菌で変異を検出した。UV-B領域の紫外線(主波長306 nmUVBランプ)を照射したシロイヌナズナからいくつかのrpsL変異クローンが得られた。塩基配列を解析したところ、動物や微生物の紫外線誘発変異で多く見られるGC→AT 塩基置換以外に、AT→ATやGC→CG塩基置換及び配列挿入が検出された。これらの変異は他の紫外線誘発変異ではあまり見出されず、植物に特有なのかもしれない。光回復遺伝子をRNAiにより発現抑制したシロイヌナズナはUV-Bに高感受性を示した。そこで、光回復が紫外線誘発変異ペクトルに与える作用を調べるため、CPD光回復遺伝子サイレンシング植物体のUV-B誘発突然変異についても解析を進めている。
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© 2007 日本植物生理学会
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