日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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強光順化過程におけるタバコ葉緑体の光合成機能と集光性色素-タンパク質複合体の変化
*淡路 恵里子竹田 恵美
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p. 874

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抄録
強光下で生育した植物における集光性色素-タンパク質複合体のLHCIIでは、キサントフィルサイクル色素(ビオラキサンチン,アンテラキサンチン,ゼアキサンチン)のプールサイズが増加することが知られている。一方、LHCIでは、強光適応過程において、そのカロテノイド組成がどのように変化するかはほとんど知られていない。タバコの植物体および光独立栄養培養細胞を強光条件(HL)と弱光条件(LL)で生育し、LHCIおよびLHCIIにおける色素組成を分析した。また、30分間の暗処理または強光ストレス処理(緑葉:2000μmol photons m-2s-1,培養細胞:1000μmol photons m-2s-1)した直後にチラコイドを調製して色素分析を行い、短時間の強光ストレス処理に対する応答についても調べた。
その結果、緑葉ではPSIにおける総カロテノイドに対するキサントフィルサイクル色素のプールサイズは、LLに比べてHLで増加していた。LHCIあたりのキサントフィル色素の数もHLの方が多かった。30分の強光ストレス処理によって、LHCIIと同様にLHCIにおいてもビオラキサンチンからゼアキサンチンへの変換が見られた。また、PSIにおけるChla/Chlb比はHLの方が高く、HLとLLでは反応中心に対するLHCIの割合が異なる可能性が示唆された。以上の結果より、PSIにおいても強光順化過程でカロテノイド組成の変化や、アンテナサイズの変化が生じると考えられた。
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© 2007 日本植物生理学会
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