日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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Synechocystis sp. PCC6803の温度順化部位の探索とその様式
*藤井 崇宏村越 悦子菓子野 康浩佐藤 和彦小池 裕幸
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p. 891

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抄録
光合成生物は周囲の環境が変化すると、その環境に応じて順化するか、または新たな耐性を獲得することが広く知られている。Synechocystis sp. PCC6803は25℃~40℃で一定の成長速度を維持し、これは各培養温度における一定の光合成速度により支えられている。そのため、この種は温度変化に合わせて光合成系の活性を変化させていると考えられる。明条件で培養温度を変えると徐々に光合成活性が変化し、その温度で最適な速度を示すようになることが報告されている。しかし、暗条件で順化がおこるかどうかは不明であった。本研究では暗条件で25℃培養の細胞を35℃へ、35℃培養の細胞を25℃へ培養温度を変えたときの活性の変化を解析した。さらにその後、明条件に移行させたときの活性の変化を測定した。その結果、明条件から暗条件に移行させると一時的な活性の低下が見られたが、これは温度順化ではなかった。明条件に移行させることにより初めて順化が起こることがわかった。さらに光合成反応の部分反応を測定し、どの反応が順化に一番深く関わっているかを解析した。その結果も併せて報告する。
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© 2007 日本植物生理学会
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