日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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焼却灰溶出液に含まれる負の化学環境因子がイネに与える影響:過剰Cuの毒性
*須藤 恵美吉田 佳代井藤賀 操小野 芳朗榊原 均
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p. 906

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抄録
埋立焼却灰は水との接触により、複合的な負の化学因子(高pH、塩、重金属)を環境中に溶出させる可能性があり、灰由来の有害因子が周辺に生息する生物に与える影響を調べることは極めて重要である。私達は様々な種の焼却灰溶出液の安全性評価を、イネ(Oryza sativa L. cv. Nipponbare)を用いて行ってきた。その過程で、灰溶出液の毒性因子のひとつとして高濃度のCuの存在が挙げられた。そこで本研究では、灰溶出液の毒性因子としてCuに着目し、過剰Cu処理がイネに与える影響を調べた。ここでは灰溶出液組成を考慮し、CuCl2を10 μM、45 μM、130 μM含むイネ水耕液をイネ根に投与し、1日後におけるイネの応答を調べた。その結果、CuCl2濃度の上昇により大気CO2分圧条件下の光合成速度、蒸散速度が減少した。またDNAマイクロアレイを用いて遺伝子発現解析を行ったところ、Cuによって発現が増大した遺伝子種、減少したそれには違いが見られ、前者には防御系、脂質代謝系、ストレス応答系などに機能する遺伝子が見られ、後者には光合成系、物質輸送系などの遺伝子が見られた。今後、イネ植物体における元素蓄積量の変化も含め考察を進めていく予定である。なお、本研究は文部科学省リーディングプロジェクトの支援による。
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© 2007 日本植物生理学会
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