日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

イネの防御応答遺伝子の発現制御に関与するエリシター応答性WRKY型転写因子の機能解析
*山田 和成中条 哲也安藤 杉尋南 栄一渋谷 直人岡田 憲典野尻 秀昭山根 久和
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 921

詳細
抄録
植物は病原菌の感染を認識すると、様々な抵抗性反応を示すことが知られている。我々はイネ培養細胞においてキチンオリゴマー等の病原菌由来のエリシターに応答して発現する2種のWRKY型転写因子(OsWRKY53、OsWRKY71)を単離し、解析を進めている。OsWRKY53OsWRKY71の過剰発現株を用いたマイクロアレイ解析及び定量的 RT-PCR の結果、それぞれの過剰発現株において誘導されている遺伝子には共通のものが多く存在していることが明らかになった。また、GAL4 DNA-binding domain と OsWRKY71 を融合したプラスミドをエフェクター、GAL4シス配列の下流にホタルルシフェラーゼをつないだプラスミドをレポーターとして用い、イネカルス中でのトランジェントアッセイを行ったところ、OsWRKY71は植物体内でリプレッサーとして機能している可能性が高いことが示された。一方、OsWRKY53 は同様の解析によりアクチベーターとして機能していることが示唆されている。以上のことから、OsWRKY53とOsWRKY71はキチンエリシターにより誘導されるシグナル伝達において、協調的に病害抵抗性の発現を制御していることが予想された。共通の抵抗性遺伝子の発現誘導に、異なる転写制御活性を持つ WRKY 型転写因子が関与していることは非常に興味深い。OsWRKY71については、現在、デリーション解析を行い、リプレッサードメインの同定も試みている。
著者関連情報
© 2007 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top