抄録
近年,マメ科モデル植物を中心とした共生変異体の解析によって,根粒菌との共生成立にいくつかのレセプターキナーゼが重要であることが明らかにされた。我々はマメ科モデル植物であるミヤコグサのゲノム配列情報を用いてレセプターキナーゼをコードする遺伝子をリストアップし,機能ドメインにもとづいた分類を行った。その結果,シロイヌナズナで同定されているレセプターキナーゼ遺伝子ファミリーと比較して,根粒菌のNod factorの受容に関わるLysMドメインをもつものや,ベン毛の認識に関わりロイシンリッチリピートを持つレセプターキナーゼをコードする遺伝子がミヤコグサのゲノム上で有意に増加していることがわかった。そこでLysMレセプターキナーゼをコードする遺伝子ファミリーについて詳細に解析を行った結果,ミヤコグサにはすでに共生への関与が報告されているNfr1, Nfr5を含め,13個のLysMレセプターキナーゼ遺伝子(LjLys1-LjLys13)が予測され,そのうちいくつかの遺伝子は成熟根粒や根粒菌の感染によって発現が上昇しており,Nfr1,Nfr5とは異なる場面で根粒菌との共生に関与している可能性が考えられる。ミヤコグサのゲノム配列から予測されたLysMレセプターキナーゼ遺伝子について,発現解析およびタルウマゴヤシとの比較解析から予測される機能について紹介する。