抄録
ダイズ(Glycine max)のゲノムサイズは約1100Mbpであり、マメ科植物の中でゲノム研究が先行しているミヤコグサ(Lotus japonicus、ゲノムサイズ:約470Mbp)に比べると大きい。また、ダイズの染色体数は2n=40で、非反復配列の多くが2コピー以上存在することから、4倍体由来の2倍体であると考えられている。ダイズのゲノム解析は、そのゲノムの大きさや複雑さのため、他の主要作物に比べて遅れている。
我々は、マメ科植物を対象としたゲノム解析の一環として、ダイズの連鎖地図作製を行っている。本研究では、ダイズゲノム構造の解明を目的として、ダイズcDNA情報を利用したマーカー作製とそのマッピング、ならびにミヤコグサとのゲノム比較を行った。初めにダイズESTからSSRを抽出して、その領域を増幅できるプライマーペアを作製し、マッピングに用いた組換え自殖系統(RIL)の親系統間でスクリーニングを行った。5044のプライマーペアのスクリーニングを行った結果、RIL親系統間で明確な多型が検出可能な438のプライマーペアを見出し、445の有効なマーカーを得ている。それらを用いて連鎖解析を行った結果、444遺伝子座を既存の連鎖地図へマッピングすることができた。また、in silicoマッピングによりダイズ-ミヤコグサ間のゲノム比較を行った結果、複数の領域でシンテニーが見られた。