日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネ・ダイズの種子における一次代謝産物の解析
*中村 卓司岡崎 圭毅山本 亮島村 聡平賀 勧信濃 卓郎小松 節子
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p. 967

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抄録
マメ科作物はイネ科作物と比較して窒素利用効率(単位窒素吸収量当たりの乾物生産量)が低い。この原因は主にイネ科作物と比較してマメ科作物において、葉の単位窒素当たりの光合成速度が低いこと、種子でのタンパク質合成による光合成産物の消費と考えられている。しかし、葉・種子におけるその詳しい代謝制御機構については明らかではなく、異なる代謝機構によって制御されているものと推定される。
イネ科・マメ科作物の代謝機構の差異に関わる代謝機構の基礎的知見を得るために、本研究では、イネ・ダイズの種子を経時的に採取し、その一次代謝産物の日周変化について比較調査を行った。代謝産物のプロファイリング解析についてはGC-MSを用いて分析、同定を行った。その結果、ダイズ種子でイネのものより、アミノ酸、有機酸が増加した。したがって、ダイズでのアミノ酸量の増加はタンパク質の集積量が多いことと関係があるものと考えられ、種子においてダイズでイネよりアミノ酸への炭素骨格供給が多くおこなわれているものと推定された。しかし、種子は転流などによる外部からの代謝産物の流入もあることから、さらなる調査が必要である。
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© 2007 日本植物生理学会
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