日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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除草剤耐性遺伝子組換えセイヨウナタネの一般環境中における生育
*青野 光子脇山 成二永津 雅人中嶋 信美玉置 雅紀久保 明弘佐治 光
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p. 977

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抄録
除草剤耐性遺伝子組換えセイヨウナタネ(Brassica napus、以下GMセイヨウナタネ)の野外における生育状況を継続して調査することは、遺伝子組換え植物のリスク評価のために必要である。これまでに、いくつかの港湾や関東地方の幹線道路沿いには、こぼれ落ちた種子由来と考えられるGMセイヨウナタネが生育していることが確認されている。今回、環境省請負業務として、2005年における西日本を中心としたセイヨウナタネと近縁野生種の在来ナタネB. rapa、カラシナB. junceaの生育状況、並びに導入遺伝子の拡散状況に関する調査を行なったので報告する。清水、四日市、堺泉北、宇野、水島、北九州、博多の7つの港湾と幹線道路、及びその後背地の河川敷における95か所で採集したセイヨウナタネ50個体、在来ナタネ82個体、カラシナ283個体の母植物のうち、四日市と博多の2地域の7か所で生育する12個体のセイヨウナタネから除草剤耐性の種子が検出された。そのうち四日市の国道23号線沿いで採集した2個体からは、2種類の除草剤耐性を同時に持つ種子が検出されたことから、2種類のGMセイヨウナタネ間での交配の可能性が示唆された。一方、これまでの調査と同様、在来ナタネ、カラシナからは除草剤耐性種子は検出されず、GMセイヨウナタネのこれら近縁種との交雑は確認されなかった。
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© 2007 日本植物生理学会
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