抄録
我々は核コードの葉緑体タンパク質の機能を明らかにするために、シロイヌナズナのAc/Dsトランスポゾンタグラインより単離された色素体異常を示す変異体、apg変異体(albino or pale green mutants)の解析を行なっている。我々は現在までに約40のapg変異体を単離した。機能が予想される原因遺伝子の中には、光合成に関与するもの以外に、転写、翻訳や蛋白質のトランスロケーターなど、多くの葉緑体蛋白質に関与する遺伝子が多いことを明らかにした。これらの変異体のうち、apg3,4,5,11,12の5つの変異体について詳細な解析を行なったので報告する。これらのapg変異体のチラコイド膜欠損程度は様々であり、原因遺伝子の機能とチラコイド膜形成、葉緑体形成の関係について議論したい。
また、我々はプラスチド間の分化機構に関与するタンパク質の機能を解明することを目的として、Nycodenzを用いてシロイヌナズナから葉緑体、エチオプラスト、変異体プラスチドを、トマト(マイクロトム)からクロモプラストの単離方法を確立した。 単離した各種のプラスチドから可溶性タンパク質の抽出し、二次元電気泳動によるタンパク質の分離後、MALDI/TOFMSによりペプチド断片の質量を測定し、MASCOT Softwareでタンパク質を推定したので報告する。