抄録
イネエピジェネティック変異体epi-d1は1個体内に矮性部位と正常部位の2つの表現型を併せ持つ変異体である。これまでにポジショナルクローニング法を用いてこの2つの表現型を規定している領域を約30kbに特定し、候補領域内に3量体G タンパク質αサブユニットをコードするD1遺伝子を見いだした。この変異体ではプロモーターを含めたD1遺伝子領域に塩基変異が無いにもかかわらず、矮性部位では発現が抑制され、正常部位では強く発現しており、このD1遺伝子の発現の制御によって表現型が規定されていることが示唆された。またメチル化の解析とChip解析により矮性部位特異的にD1遺伝子の転写開始点がメチル化されていること、D1遺伝子がヘテロクロマチン化していることが明らかとなった。現在、これらの制御にはSiRNAの関与が示唆されており、イネエピジェネティック変異体epi-d1におけるSiRNAとD1遺伝子発現について紹介したい。