日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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NAD代謝改変による代謝亢進の機構
*川合 真紀高橋 秀行橋田 慎之介内宮 博文
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p. S035

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抄録
ニコチンアミドヌクレオチド(NAD(P)(H))は酸化還元反応における電子伝達機能に加え、シグナル伝達への関与が知られる物質である。NAD(P)(H)はNMNAT、NAD合成酵素(NADS)、NADキナーゼ(NADK)によって合成されるが、遺伝子の単離や酵素の生化学的解析がおこなわれるようになったのはごく最近であり、NAD代謝の植物の生長制御における役割については未知の部分が多い。そこで我々はシロイヌナズナのNMNAT, NADS, NADKを欠失、または過剰発現した植物体を調べることにより、NAD代謝の変化によって引き起こされる植物の代謝変動について解析をおこなった。その結果、NMNATを欠失するシロイヌナズナは花粉管伸長に異常が検出された。また、葉緑体局在型のNADK2を欠損した植物(nadk2)は葉の薄色化や、ロゼット葉数の減少を示した。一方、NADK2を35Sプロモーター下で過剰発現すると、クロロフィル含量の増加やアミノ酸含量の増加が検出された。その際、光合成の明反応には変化が見られなかったが、カルビン回路が活性化していることが示唆された。さらに窒素代謝についてもNADK2過剰発現植物とnadk2で野生型植物に比べ顕著な変化が検出された。これらの結果は、NAD代謝が変化することにより細胞内の炭素/窒素代謝が変動することを示している。
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© 2007 日本植物生理学会
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