日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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NMDはゲノム進化の過程でmRNAの一次配列に影響を与えてきた
*堀 孝一渡辺 雄一郎
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p. S043

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抄録
mRNA監視機構の一つであるNMD (nonsense-mediated mRNA decay)はナンセンス変異による異常な終止コドン(PTC ; premature termination codon) をもつmRNAを監視し、分解する機能を持つ。NMDに関与する重要な因子は植物を含む真核生物で高度に保存されているが、PTCとして認識される終止コドンは生物種によって異なることが示唆されている。
本研究では植物内でPTCとして認識される終止コドンの位置関係を解析した。その結果、終止コドンがPTCとして認識されるか否かは、mRNAの3’末端からの距離に依存することが明らかとなった。今回、各種データベースから複数の生物種の終止コドンの位置を解析した結果、植物では終止コドンの多くがlast exon-exon junctionの位置には依存せず3’末端側に存在する傾向を示した。一方、哺乳類においてはlast exon-exon junction近傍に終止コドンが集中し、ショウジョウバエにおいては3’末端、last exon-exon junction近傍共に同程度の分布を示した。この分布は終止コドンがPTCとして認識されることなく正常に機能する状況、それぞれの種におけるNMDの特性を反映することが期待された。このようにNMD機構の存在はゲノム進化の過程でmRNAの一次配列に影響を及ぼしてきたことが予測される。
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© 2007 日本植物生理学会
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