日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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光合成活性、産物動態に対するアルミニウムの影響
*古市 卓也藤巻 秀河地 有木鈴井 伸郎石井 里美石岡 典子山本 泰松橋 信平曽我部 正博山本 洋子
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p. 0028

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抄録
糖移行に代表される植物個体内に於ける物質転流の速度や方向性は光環境や化学ストレス、栄養条件などにより制御されることが知られている。酸性土壌に於ける化学ストレス物質であるアルミニウムイオン(Al3+)は、根からの有機酸放出を引き起こす。根に於ける有機酸合成、放出を支えるのは地上部からの光合成産物供給であるが、根へのAl3+暴露が光合成の効率及び光合成産物移行にどのように影響を示すかは未だ明らかでない。そこで、11C標識二酸化炭素(11CO2)を投与した植物個体内における光合成産物の蓄積、移行の様子をポジトロンイメージング法により解析した。結果、Al3+が地上部に於ける光合成を上昇させ、Al3+暴露部位への糖集積を促進することを見出した。今後、この分子基盤を明らかにすることで酸性土壌に適合した作物育種を行い、酸性土壌の緑化、利用促進を目指す。
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© 2008 日本植物生理学会
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