日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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マラリアから陸上植物まで保存されている新規葉緑体分裂関連遺伝子の同定と解析
*壁谷 如洋中西 弘充鈴木 健二市川 尚斉松井 南宮城島 進也
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p. 0105

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抄録
葉緑体はシアノバクテリアの祖先種の細胞内共生によって生じたと考えられ、分裂によって増殖する。葉緑体の分裂には、FtsZなどの共生体由来のタンパク質と ダイナミンなどの宿主由来のタンパク質が関与していることが明らかになっている。当研究室では、新規葉緑体分裂関連因子を同定するためにシロイヌナズナのアクチべーションタギングラインおよびFOXラインをスクリーニングし、いくつかの遺伝子を同定している。本研究では、FOXラインから得られた葉緑体が巨大化したラインの原因cDNAを同定し、解析を行った。同定したcDNAは、葉緑体包膜局在と予想されるタンパク質をコードしており、シアノバクテリアや紅藻、緑色植物に広く存在し、マラリア原虫にも保存されていた。この遺伝子は、一部のバクテリアでFtsAやFtsZなどの細胞分裂因子をコードする遺伝子とオペロンを構成することから、分裂に何らかの役割を担うことが予想されるが、機能は明らかにされていない。現在、GFP融合タンパク質を用いて葉緑体内局在を調べると共に、T-DNA挿入変異体の解析も行っているので、それらを合わせて報告したい。
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© 2008 日本植物生理学会
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