日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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植物細胞インタクト液胞を用いたメタボローム解析
*大西 美輪原田 和生及川 彰姉川 彩七條 千津子深城 英弘杉山 裕子Hatcher Patrick G.福崎 英一郎三村 徹郎
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p. 0135

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抄録
植物細胞において液胞は細胞体積の約8割を占めるオルガネラであり、膨圧形成、無機イオンや代謝産物の蓄積、不要となったタンパク質の分解など細胞内恒常性の維持に重要な役割を果たしている。その機能から液胞内に存在すると思われる物質がこれまでにいくつか報告されてきているが、液胞内に実際にどんな物質が含まれているのか、直接的かつ網羅的に調べた研究はほとんどない。我々は、すでにいくつかの培養細胞(ニチニチソウ、シロイヌナズナ、タバコ)や植物体(シロイヌナズナ、シャジクモ)から、液胞内物質を含んだ状態でのインタクト液胞ないし、液胞内液を単離する方法を確立している。今回、単離したインタクト液胞より液胞内液を調製、または直接採取した液胞内液をCE-MSやFT-ICR-MSにより分析した。その結果、すでに液胞内に含まれていることが知られていた物質の他に、これまで知られている液胞内環境からは想像しにくい物質の存在を、多数確認している。現在、これらの物質が、サンプル調製の際に混入したのか、あるいは実際に液胞に存在するのか、その詳細を検討中なので、それについても併せて報告する。
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© 2008 日本植物生理学会
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