抄録
リンドウ花弁におけるフラボノイド生合成代謝経路の解明を目指して研究を進めている。今回、転写レベルでの制御機構の解明を目的にR2R3-MYB転写因子を単離し、解析を行った結果について報告する。R2R3-MYB転写因子の保存ドメインをターゲットにリンドウ花弁cDNAからDegenerate PCR法により、R2R3-MYB様転写因子の単離を試みた。増幅断片をサブクローニング後160クローンについてシークエンス解析を行った結果、24グループに分類されたが、多くのクローンは4グループに集中した。そこでこの4つについてRACE法により全長を単離し、GtMYB2a、GtMYB2b, GtMYB3, GtMYB4と命名した。他の植物のMYB転写因子との系統解析からGtMYB3、GtMYB4がフラボノイド生合成に関わる遺伝子群に分類され、リンドウ花色の生合成に関わる可能性が示唆された。GtMYB4はシロイヌナズナのMYB12、トウモロコシのPと高い相同性を示し、ノザン解析の結果、花の発達段階の前半で発現することが示された。リンドウのフラボノイド生合成遺伝子のプロモーターに対する活性化能を花弁における一過的な発現系を用いて解析した結果、CHS(カルコン合成酵素)及びFSII(フラボン合成酵素)プロモーターに対する活性化が認められた。またGtMYB4過剰発現形質転換タバコではアントシアニン量の減少、フラボノール量の増加が認められ、遺伝子発現解析の結果、初期のフラボノイド生合成遺伝子の発現が増加することがわかった。