日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シソ目におけるフラボノイド7位配糖体化酵素の機能分化
*小埜 栄一郎野口 秋雄水谷 正子福井 祐子
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p. 0141

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抄録
シソ目(Lamiales)にはハーブや食品、花卉など我々の生活に密着した植物種が多い。シソ科シソ(Perilla frutescens)の葉、シソ科コガネバナ(Scutellaria baicalensis)の根、およびゴマノハグサ科キンギョソウ(Antirrhinum majus)の花弁にはフラボノイドの一種であるフラボン7位グルコシドと共に7位グルクロナイドが含まれている。フラボノイドの7位に対する異なる糖修飾機構を明らかにするために、シソ目に属するシソ、ヤクシマタツナミソウ(Scutellaria laeteviolacea)、キンギョソウ、およびゴマ(Sesamum indicum)からフラボノイド7位グルコース転移酵素(F7GlcT)とフラボノイド7位グルクロン酸転移酵素(F7GAT)をコードする遺伝子単離を試みた。大腸菌発現タンパク質の酵素解析の結果、高い糖供与体選択性を示す3種のF7GlcTと4種のF7GATを同定した。シソF7GlcTsは既知のF7GlcTが形成するクラスターIIIに属し、一方のシソF7GATはダイズ由来イソフラボン7位グルコース転移酵素に代表される異なるフラボノイド7位配糖体化酵素が形成するグループに属した。このことからシソ目には少なくとも機能的および構造的に異なる二種類のフラボノイド7位配糖体化酵素が存在していることが示された。
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© 2008 日本植物生理学会
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