日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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遺伝子共発現解析によるシロイヌナズナ・フラボノール3位アラビノース転移酵素遺伝子の機能同定
*榊原 圭子峠 隆之新井田 理絵高橋 晶子斉藤 和季
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p. 0140

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抄録
7000種以上におよぶフラボノイドの多様性は、その多彩な修飾系(配糖化、アシル化、メチル化等)に起因している。シロイヌナズナにおいても、少なくとも19種類のフラボノイドが報告されており、9種類の配糖化酵素および3種類のアシル基転移酵素の関与が示唆されている。しかしながら、シロイヌナズナには107の配糖化酵素遺伝子が存在する。このため、全塩基配列の決定されたシロイヌナズナでさえ、一次構造から修飾系酵素遺伝子の生理的な機能を推測することは困難である。
フラボノイド配糖化酵素遺伝子の網羅的機能同定を目的に、既知のフラボノイド代謝系酵素および転写因子をコードする遺伝子をクエリーとして、遺伝子共発現解析を行ったところ、フラボノイド代謝系遺伝子と相関の高い配糖化酵素遺伝子(UGT5)を見出した。UGT5は、その構造からフラボノイド3位配糖化酵素であると予想された。当該T-DNA挿入変異体のフラボノイド分析によりフラボノール配糖体の欠損が確認できたが、欠損化合物の正確な構造同定には至らなかった。しかしながらUGT5組換えタンパク質を用いたin vitro活性測定により、UGT5はUDP-arabinoseに特異的であり、フラボノールアグリコンを基質とすることが明らかとなった。即ちUGT5はflavonol 3-O-arabinosyltransferaseをコードしていることが判明した。
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© 2008 日本植物生理学会
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