日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シアノバクテリアのC18脂肪酸特異的リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼのats2変異株における発現
*秋元 麻衣岡崎 久美子粟井 光一郎西田 生郎
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p. 0148

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抄録
光合成生物の膜脂質であるグリセロ脂質のsn-2位にはC16の脂肪酸が特異的に結合しているが、その特性は、リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼの脂肪酸基質特異性によって支配される。シアノバクテリアSynechocystis sp. PCC6803には、C16脂肪酸特異的リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼ(LPAAT)遺伝子sll1848と、C18脂肪酸特異的LPAATをコードするsll1752遺伝子が存在するが、sll1848の遺伝子破壊株Δ1848は、グリセロ脂質のsn-2位にC18脂肪酸のみを結合し、光合成条件下での生育が野性株に比べて低下する。一方、高等植物のプラスチド膜のリン脂質ホスファチジルグリセロール(PG)のsn-2位には、パルミチン酸あるいはトランス-3-ヘキサデセン酸が結合している。本研究では、プラスチド膜PGのsn-2位脂肪酸の重要性を検証するために、シロイヌナズナのプラスチド型LPAAT変異株ats2株に、Synechocystis sp. PCC6803の組換えsll1752遺伝子を導入し、PGの脂肪酸組成の改変を試みた。PGの脂肪酸組成と植物体の表現型に対する遺伝子導入の影響について報告する。
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© 2008 日本植物生理学会
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