日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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オジギソウ運動細胞のプロトプラストを用いた水透過性制御の解析
*山田 紘司土屋 隆英神澤 信行
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p. 0154

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抄録
オジギソウの屈曲運動には、運動部位である主葉枕において、アクチン細胞骨格と運動細胞の膨圧変化が関与する事が知られている。膨圧変化の原動力と考えられるのが素早い水の移動である。この素早い水の移動には、アクアポリンが関与している事が考えられている。そこで本研究では、主葉枕運動細胞のプロトプラストを用いて、水の移動に関する詳細な解析とアクアポリン関与の可能性について調べた。プロトプラストを用いた水透過性測定の結果、浸透圧の変化に伴いプロトプラストの体積変化が観察された。また、アクアポリンの阻害剤である水銀によって水透過性への影響を観察した所、有意に阻害された。このような結果から主葉枕運動細胞では、アクアポリンの活性が何らかの調節を受けていることが考えられた。オジギソウアクアポリンは、Xenopus oocyteを用いた解析からリン酸化による調節の関与が示唆されている。そこで、プロトプラストの水透過性に及ぼすPKA activatorsの影響を調べた結果、水透過性が上昇する事が示された。今後、リン酸化による水透過性の調節機構について詳細に解析していく。
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© 2008 日本植物生理学会
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