日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネにおけるクロライドチャンネルOsCLC-1,OsCLC-2の遺伝子破壊系統を用いた機能解析
*中村 敦子岩井 宏暁福田 篤徳酒井 愼吾田中 喜之
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p. 0166

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抄録
高塩濃度環境で生育する植物における細胞内イオンの挙動を解析することは、耐塩性機構を明らかにする上で重要である。植物が塩ストレスを回避する時にNa+のカウンターイオンCl-がどのように取り込まれ、挙動しているのか明らかではない。電気生理学的解析により、Cl-輸送が様々な生命現象に関与していることが示唆されている。植物ではシロイヌナズナAtCLC-aおよびAtCLC-cが細胞内硝酸イオン濃度の調節に関与することが知られているが、最近pH感受性に関与するもの、PSIIに関与するものが報告された。しかしながら、その詳細な機能メカニズムは解明されておらず、クロライドチャンネル機能解析は始まったばかりといえる。
我々はイネの電位依存性クロライドチャンネルファミリーであるOsCLC-1,OsCLC-2遺伝子中にイネの内在性トランスポゾンTos17が挿入された遺伝子破壊系統を選抜し、解析を進めている。これらの遺伝子破壊系統を水耕栽培で生育させたところ、根の長さは野生型と比較して根の伸長が阻害されていた。これら破壊系統に加え、交配により作出した二重変異体について走査電子顕微鏡を用いた形態観察や内部構造等について詳細な検討を行った。
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© 2008 日本植物生理学会
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