日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネ胚乳中のアミノ酸含量に関するQTL解析
*松田 史生及川 彰澤田 有司平井 優美矢野 昌裕斉藤 和季
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p. 0168

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抄録
【目的】イネ(Oryza sativa)の栄養貯蔵組織である胚乳にはデンプン、タンパクに加えて多様な一次、二次代謝産物が含まれている。それらの含量はコメの栄養価や品質に深く関わる重要な形質であるが、その制御に関わる遺伝子の詳細はよくわかっていない。本研究では胚乳中のアミノ酸含量に着目し、その制御に関わる量的形質座位(Quantitative trait loci, QTL)を染色体上にマッピングすることを目的とした。
【方法と結果】イネ品種ササニシキ(ジャポニカ)とハバタキ(インディカ)から由来する戻し交雑自殖系統群 (Back-crossed inbred lines, BILs) 85系統の胚乳から、それぞれ18種のアミノ酸とGABA, ビタミンB1を20%アセトニトリル水溶液で抽出し、それらの含有量をLC-ESI-MS(Waters)を用いて定量した。親品種の形質値とマッピング集団の形質値データを比較したところ、一部のアミノ酸では親品種の値を超える超越分離を示すものがあった。解析した全20代謝産物について区間マッピング法によるQTLの検出を試みたところ、合計25個のQTLを検出することができた。これらのうち、それぞれ6個のQTLが第3と第6染色体上に局在していることが明らかとなった。
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© 2008 日本植物生理学会
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