日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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エチレンを介したアグロバクテリウム遺伝子導入抑制機構の解析
*野中 聡子菅原 雅之南澤 究江面 浩
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p. 0186

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抄録
アグロバクテリウム(Agrobacterium tumefaciens)は、植物に感染し腫瘍を形成する。この感染とは、アグロバクテリウムが腫瘍形成遺伝子を植物へ導入することである。遺伝子導入の過程は、植物表面上でアグロバクテリウムが増殖することと、vir遺伝子群を発現することから始まる。
遺伝子導入は、植物ホルモンのエチレンにより抑制されるが、その機構は明らかではない。本研究では、アグロバクテリウムの増殖とvir遺伝子の発現に着目してエチレンの遺伝子導入抑制機構を解析した。
遺伝的改変を加えたアグロバクテリウムを用いて、遺伝子導入時に発生するエチレンが遺伝子導入を抑制することを示した。さらに、エチレン感受性変異体への遺伝子導入実験は、発生したエチレンが植物のエチレン感受性を介して、遺伝子導入を抑制することを示した。エチレン感受性は、アグロバクテリウムの増殖を抑制しなかったが、vir遺伝子の発現を抑制した。以上のことから、アグロバクテリウムの感染は、植物のエチレン発生を促進し、植物はそのエチレンを受容しアグロバクテリウムのvir遺伝子の発現を低下させ、遺伝子導入を抑制することが明らかとなった。遺伝子導入可能な植物細胞をアグロバクテリウムが認識してvir遺伝子は、発現する。従って、植物のエチレン感受性は、アグロバクテリウムの宿主認識を低下させ、遺伝子導入を抑制していると考えられる。
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© 2008 日本植物生理学会
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