日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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糸状菌抵抗性に関わるERF遺伝子ECC1の解析
*浅田 裕筒井 友和池田 亮山口 淳二
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p. 0187

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抄録
植物の免疫活性化は、防御関連遺伝子の発現のみならず細胞死を伴うことがある。この細胞死には、病原体の全身感染を抑制する働きがあり戦略的細胞死と考えられている。このような細胞死形質を恒常的に示すシロイヌナズナ突然変異体cad1constitutively activated cell death 1)を単離した。cad1変異体では、病原性細菌に対する抵抗性を獲得していたことから、この変異体の細胞死形質は免疫機構に関与することが明らかとなった(Plant Cell Physiol. 2005, 46: 902-912)。
cad1変異体では内生ジャスモン酸の上昇、ジャスモン酸およびエチレンによって誘導されるPDF1.2遺伝子の発現が確認された。これらの結果はcad1変異体が示す抵抗性に、ジャスモン酸およびエチレンの情報伝達に関与する転写調節因子であるERF遺伝子が関わっていることを示唆している。マイクロアレイ解析を行ったところ、いくつかのERF遺伝子がその候補としてあげられた。そのうちの一つをECC1ERF gene controlled by cad1)と名付け、解析を進めた。本発表では、ECC1と植物ホルモンとの関係を中心に議論していきたい。
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© 2008 日本植物生理学会
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