日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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局所的なCAD1 KnockdownによるSAR制御の解析
*山本 雅子浅田 裕筒井 友和池田 亮山口 淳二
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p. 0188

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抄録
病原体感染時にみられるようなHR様細胞死を示す疑似病斑変異体cad1は,サリチル酸(SA)の顕著な蓄積が観察され,病原性細菌に対する抵抗性を獲得している.従って,原因遺伝子CAD1は,局所的な抵抗性といった免疫機能を負に制御していると考えられた(Plant Cell Physiol. 2005, 46: 902-912).これらの結果は,cad1において身獲得抵抗性(SAR)が誘導されると考えられ,感染部位においてCAD1が低下することにより,未感染部位においても,SAの蓄積と感染特異的(PR)遺伝子の発現誘導と抵抗性の上昇が期待される.
SARとCAD1との関連性について検討するため,CSIROのpOpOff2ベクターを利用したDEX誘導型RNAiシステムを用いた解析を進めた.CAD1のコード領域500bpを標的として作製されたpOpOff2導入植物をDEX培地で生育させたところ,cad1-1様の表現型が観察された.また,局所的なCAD1遺伝子のサイレンシングによって,PR遺伝子等の全身的な発現が観察された.これらの知見は,CAD1がSARを負に制御していることを示唆している.実験ならびに制御の分子機構の詳細について報告する.
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© 2008 日本植物生理学会
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