抄録
マメ科植物には, 全植物種に共通して保存されていると考えられるclass 1ヘモグロビン(Hb)と根粒特異的に機能するclass 2 Hbが存在する。Class 1 Hbは, 様々な刺激に応答して植物細胞内で発生する一酸化窒素(NO)との相互作用により, 植物の生理機能の調節している可能性がある。本研究では、NO発生とHbの遺伝子発現を指標に, ミヤコグサ根粒菌野生株、変異株及び病原菌に対するミヤコグサの応答を解析した。ミヤコグサの根に病原菌を接種した場合, 少なくとも接種24時間後までNOが持続的に発生したが, ミヤコグサのclass 1 Hb (LjHb1)は, 発現しなかった。共生根粒菌接種の場合, NOは一過的に発生し, それと同調してLjHb1が発現した。また, nodAC欠損変異株接種の場合, NOは一過的に発生したが, LjHb1発現は誘導されなかった。しかし, exo変異株接種時は, NOの発生とLjHb1発現はともに検出されなかった。ミヤコグサ根粒菌の粗LPSを添加すると, 一過的なNO発生とLjHb1の発現がみられた。精製した根粒菌LPSを添加すると, LPSを含む画分の添加4時間後にNO発生が観察でき, NO発生の誘導活性成分がLPSを含む画分に存在することが示唆された。現在, NO発生とLjHb1発現の誘導活性は同一画分によるか検討中である。